ラジオ番組「企業の遺伝⼦」 2026.09.07
当社代表 武田隆がパーソナリティを務めるFMラジオプログラム「企業の遺伝子」で、有限会社シネマ・アベニュー取締役で下高井戸シネマ支配人 木下陽香(きのした・はるか)さんをゲストにお迎えした第4週目の放送が公開されました。
今回は、下高井戸シネマの今とこれからについて伺います。
およそ70年にわたり、街とともに歩んできた下高井戸シネマ。そこで働く人たちの間には、マニュアルにも経営理念にも書かれていない、ある共通の言葉があります。
「シネマっぽい」。
上映する作品を選ぶときも、チラシやPOPをつくるときも、接客するときも、「これはシネマっぽいね」と感覚的に分かり合える。木下陽香さんが経営を引き継いだ当初、その正体はなかなか見えなかったといいます。自ら理念を考え、言葉にしようとしてもうまく浸透しない。ところが、やがて気づきます。新しくつくる必要などなかった。父の時代から長い年月をかけて育まれた価値観が、すでにスタッフ一人ひとりの中に息づいていたのです。
では、「シネマっぽさ」とはいったい何なのでしょうか。
そのヒントは、下高井戸シネマならではの企画にも表れています。上映後、監督や研究者と観客がロビーで近い距離から語り合うトークイベント。映画の印象を“味”で表現したクラフトビール。そして今度は、街の音楽祭に合わせ、3歳からバイオリンを続けてきた木下さん自身がロビーで演奏する企画も準備しています。
ただ映画を観て帰るのではなく、そこに集まった人や街との出会いまで含めて、一度きりの映画体験にする。そこにも「シネマっぽさ」があります。
そして木下さんが思い描く100年後。その頃、下高井戸シネマで上映されているものは、もしかすると映画ではないかもしれないと語ります。それでも残したいものがある。それは、人の心を動かす場所であることです。
AIやデジタル技術がさらに進み、多くのことが自動化される未来だからこそ、生身の人間がつくる手触りや温かさが価値を持つのではないか。
時代が変わっても受け継がれる「シネマっぽい」とは何なのか。小さな映画館が守り、そして未来へ手渡そうとしている文化の正体に迫ります。