ラジオ番組「企業の遺伝⼦」 2026.10.26
当社代表 武田隆がパーソナリティを務めるFMラジオプログラム「企業の遺伝子」で、日の丸交通株式会社 代表取締役 富田和孝(とみた・かずたか)さんをゲストにお迎えした第2週目の放送が公開されました。
今回は、日の丸交通の転機について伺います。
「裏切り者」。
日の丸交通株式会社の代表取締役・富田和孝さんは、かつてタクシー業界からそう呼ばれたことがありました。
その理由は、世界的な配車サービスを展開するUberとの業務提携。実はこの決断の裏には、会社の存続と社員の生活を守るための、壮絶な葛藤がありました。
創業76年を迎える日の丸交通。その長い歴史の中で、富田さんが忘れられない転機として挙げるのが、2020年から始まったコロナ禍です。
街から人が消え、タクシーの利用客は激減。頼みの綱だった配車アプリも、競合サービスとの統合によって需要が分散し、売上はさらに落ち込んでいきました。ついには社員の流出まで始まり、会社は深刻な危機に直面します。
「社員を失ったら、タクシー会社は消滅する」。
そう考えた富田さんが活路を求めた相手こそ、それまで業界全体が警戒し、反対してきたUberでした。
一般のドライバーが有償で乗客を運ぶライドシェアは、プロのタクシードライバーにとって大きな脅威。安全性への懸念もあり、タクシー業界は導入に強く反対していました。
しかし富田さんは、対立を続けるのではなく、共存する道を探り始めます。
日本では、二種免許を持つプロのドライバーがタクシーでUberの配車サービスを利用する。そんな新たな形を模索し、何度も協議を重ねた末に提携を実現させました。
当然、業界からは激しい反発が起こります。社内にも反対の声がありました。それでも富田さんは決断を曲げませんでした。
やがて、Uberを利用し始めたドライバーの売上が伸び、その成果を見たほかの社員も次々と利用を開始。収入が安定し、離れていった社員からも戻りたいという声が届くようになったといいます。
かつて反対していた社員から、感謝されるまでに変わっていったのです。
業界の常識を守ることと、社員の生活を守ること。経営者として、その二つがぶつかったとき、何を優先するのか。
なぜ富田さんは、批判を覚悟してまで新たな道を選んだのか。そして、その決断は日の丸交通の未来をどう変えたのか。
未曽有の危機の中で下された、三代目経営者の決断。その真意と、変化を恐れず未来を切り拓く企業の姿に迫ります。