ラジオ番組「企業の遺伝⼦」 2026.08.24
当社代表 武田隆がパーソナリティを務めるFMラジオプログラム「企業の遺伝子」で、有限会社シネマ・アベニュー取締役で下高井戸シネマ支配人 木下陽香(きのした・はるか)さんをゲストにお迎えした第1週目の放送が公開されました。
今回は、下高井戸シネマの継承について伺います。
父が遺した映画館を、自分が継ぐ――。その決断は、幼い頃から映画一筋だったから生まれたものではありませんでした。
下高井戸シネマの支配人を務める木下陽香さん。実は3歳からバイオリンを続けおり、関心はむしろ音楽へ。大学卒業後は大手企業に就職し、父が営む映画館とは異なる道を歩んでいました。
転機となったのは2019年、父親の逝去でした。当時、会社の経営を担っていたのは父ひとり。木下さんが継がなければ、長く続いてきた映画館そのものがなくなってしまうかもしれない。一方、自分が勤める大きな会社は、自分が辞めても明日から変わらず動いていく。その違いを前に、「この映画館をなくしてしまうのは、あまりにももったいない」と考えます。
とはいえ、経営も映画館の仕事もほとんど知らない状態からの出発です。そんな木下さんの背中を押したのは、母からの意外な一言でした。「ダメだったらダメでいいんじゃない」。絶対に残さなければならない、という重圧から解放されたことで、「それなら挑戦してみよう」と一歩を踏み出します。
ところが、本当に大変なのはそこからでした。
会社経営の基本を本で学ぶところから始め、税金や決算、社会保障、働き方、人員配置など、一つひとつを整備。さらに待っていたのは、長年映画館を支えてきたベテランスタッフとの関係づくりでした。誰よりも経験の浅い自分が、ある日突然「社長」として指示を出す。その難しさを、木下さんはどう乗り越えていったのでしょうか。
俳優、アーティスト、映画制作者、ミュージシャンなど、個性豊かな人々が働いてきた下高井戸シネマ。そこには、一般的な会社とは少し違う組織の風景があります。 映画の道を選んでこなかった娘が、なぜ映画館を継ぎ、どのように自分自身の居場所へと変えていったのか。突然始まった事業承継の先に見えてきた、下高井戸シネマらしい経営と人との向き合い方に迫ります。