Pfandというデポジットリサイクルシステム

こちらはスーパー内に設置された容器回収場所(Leergutannahme)です。ドイツでは、飲料水などをペットボトルで購入すると、リサイクルマーク(ファンドフラッシェ)のついているものは、その場で自動的に商品代金に容器代が加算されるデポジットシステム(Pfand)が普及しています。このPfandシステムは、北欧やオーストラリア、カナダにもあり、ドイツでは2003年から実施されました。

このマークがついているペットボトルや缶、瓶は、飲み終えた後、スーパーなどの販売店に設置されているリサイクル機械に返却すれば、払い戻し金を清算した引き替えレシートが発行され、レジで返金されます。通常のペットボトル(1.5ℓ)は、1個25セントですので、4個で1ユーロと、デポジットとわかってはいても、リサイクルするたびに高価値な感覚を受けます。

また、機械で読み込まれる際、一度で使い切るペットボトルと、複数回使用するものの違いなどの情報がバーコード内に印字されます。廃棄されるという情報を持ったペットボトルは、洗浄され、スーパーの有料袋や、包装用のビニール袋となって生まれ変わり、無理のないドイツのエコ環境を現実化しています。このシステムの導入により、市民のリサイクル意識の自主性が向上し、ドイツでは容器の回収率はほぼ100%と言われています。

ヨーロッパでは、身近な生活の環境意識とITとの組み合わせの実例もよく耳にするように思います。エコは減らして節約するではなく、循環させる環境保全であるという意識が高く、楽しみや、やりがい、充実感を感じる体験を消費者に提供することで、より一層エコ循環システムの成功を導いているということです。

Pfandという仕組みがただ一つ間に入るだけで、今まで当たり前に思っていたリサイクルという考えが全く違う感覚で見えてくると思いました。ドイツに来てからこのシステムを知り、自身も生活しながら実行し、良いシステムだなと思ったため、こちらで学んだ環境事例の一つとして紹介させていただきました。

ペットボトルのリサイクル表示

ごあいさつ

私たちクオンは、インターネットが目新しかった1996年から企業と顧客の関係構築に取り組み続けている会社です。サービスの要である「消費者コミュニティ」のアーキテクチャに、ヨーロッパ市民社会の成熟の源泉を組み込むため、またWWC(Worldwide Community)実現に向けた国際展開の一歩として、2015年よりベルリンに支局を置いています。
スタートアップの聖地として注目されるベルリンで目にする、人々の暮らしぶりや大切にしている想いには、サービスだけでなく、私たちの生活を豊かにしてくれるヒントや輝きが溢れています。このブログでは、その一部をみなさまへお届けします。
※タイトルにある「Kiez」は、街独自の雰囲気を残した小規模な区分のこと。「お気に入りのご近所」「好きなお店があるエリア」など、愛着を込めた表現として日常的に使われます。

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