12月のベルリンは、街中が温かい雰囲気で包まれます。日中は午後4時には日が暮れかけ、気温は2度前後まで下がるのですが、デパートや街なかの広場にはたくさんの冬限定の店舗や屋台が現れます。
もみの木を直接販売するテントや、カリカリとした甘いアーモンドのお菓子や、赤ワインをオレンジピールやシナモン、クローブ、砂糖を加えて温めたグリュワイン、ウインナーなどを販売するお店がたくさん並び、これを食べて初めてクリスマスが来た!という実感が湧いてくるのです。ちょうど24日から26日まではクリスマス休暇になり、街の店舗は閉店することもあるため、事前に食料を普段より多めに買い込み家で過ごすベルリナーも多いです。アップルシュトゥーデルという冬のお菓子や、ジンジャークッキーを焼いて近所の人に配ったり、お気に入りのレシピでもてなしたりします。
街角のお花やさんも賑わいます。お店の人に相談しながらお花を選んでいる素敵なベルリナーもよく見かけます。ドイツの冬は光が少なく暗いイメージですが、温かいコートを着て散歩したり、家の中では、花やデコレーション、キレイな色のラグやカーテンを楽しんだり、手紙を書いたり、絵を書いたり、音楽を楽しみながら作業をしたりと、普段とは少し違う時間を過ごせるのも12月という特別なシーズンです。もちろんちょっと遠出をしてリフレッシュして過ごすベルリナーも多くいます。
この時期は街中にキレイにライトアップされたツリーを見かけますが、このツリーの由来は、1419年にドイツのフライブルクで、パン職人の信心会が聖霊救貧院にツリーを飾ったという記録が、クリスマスツリーをクリスマスに飾る行為の最初とされているようです。1600年代には、ドイツ各地で記録が残され、ここベルリンには1800年頃にツリーが伝わっていると言われています。
ドイツのクリスマスは他の都市の方もわざわざ訪問されるくらい今でも伝統的でおだやかな雰囲気を味わえると言われています。12月は、ツリーを眺めながら、大切な人や仲間とゆっくり過ごし、たわいもない今年の思い出を話したり、来年の抱負をイメージしながら、寒い冬を乗り越えます。